【上海13日=佐久間賢治】亡き祖母との思い出を歌った「トイレの神様」が“泣ける曲”としてヒット中のシンガー・ソングライター、植村花菜(27)が、上海万博の日本産業館で海外初ライブを行った。開演前には、同館に展示されている黄金に輝く「世界一高級なトイレ」を見学。自身も音楽界の頂点を目指すべく、大みそかのNHK「紅白歌合戦」出場を誓った。
土砂降りだった雨が、開演直前には消え去っていた。“天気の神様”をも味方につけ、植村が日本産業館の屋外ステージに登場だ。
「ニーハオ!」。そう絶叫すると、前日覚えたばかりの中国語で「上海に来られて、うれしい。短い時間ですが楽しんで帰ってください」とあいさつ。初海外公演の場が世界中の注目を集める上海万博。きっかけは“トイレつながり”だった。
作家で日本産業館の総合プロデューサー、堺屋太一氏(75)が「トイレの神様」に感動し、公演を依頼。館内には最新機能を備え、陶器を金で特殊コーティングされた黄金の世界一トイレが展示されており、同曲のイメージとピタリ合った。
世界でここだけの黄金トイレは700万相当の価値を持つという。開演前に見学した植村は、「うわさのトイレが見られて興奮しました。人生のうちに1度くらいは使ってみたいですね」と思いを馳せた。
感激に浸りながら臨んだ晴れ舞台。ラストの4曲目は満を持して「トイレの神様」。「トイレにはベッピンな女神様がいる」。亡き祖母の言葉を信じ、毎日トイレ掃除に勤しんできた自身の実話を描いた同曲。スクリーンには、中国語の字幕で歌詞が伝えられた。
上海から飛行機で約1時間半の湖北省から訪れた主婦、魏冬玲さん(42)は「20数年前に亡くなった祖母を思い出して感動しました。生で聴くことができてよかった」と涙をぬぐった。
泣ける曲は万国共通。3回公演で計2000人を動員し、14日に最終日を迎える。植村は「音楽の素晴らしさは国境を越えると思います。いろんな舞台に出させていただいて、結果を出したい。一生懸命頑張って年末につなげられたら」と紅白出場を誓った。
衛星放送を通じて、再び中国の人々に歌声を届けたい。世界一のトイレを知り、自らも世界に目を向けた。
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